第15回 藤さんの旅と食と人と~ネパール・ヒマラヤに囲まれた信仰とお祭りの国~
ヒマラヤ遊覧飛行は2回目のトライ。前日が天候不良で中止となったため、もし今日も中止となったら終わってしまう最後のチャンス。午前5時にホテルを出発してカトマンズ空港へバスで移動。ほどなく私たちが乗る飛行機への搭乗が告げられた。「やった!」飛行機には窓側のシートのみに一人ずつ座る。
カトマンズの街の上空を10分ほど過ぎた頃、進行方向左手に、大きな壁のような雪を被った峰が近づいてくる。あきらかにそれまで見えていた山とは違います。6,000m以上の山々が連なるパノラマを飛行機が平行に進んでいく。見たことがない光景に心は踊る。

やがてキャビンアテンダントの人が近づいてきて、あの奥に見える三角形の山がエベレストだと教えてくれた。おお、ついにエベレストを見た! ひときわ際立つ威風堂々とした輝きを感じる。

約1時間のフライトを終えた後は、ネパールの伝統的な定食、ダルバート。ダルは「豆」、バートは「米飯」を意味して、豆のスープとごはんを基本に、おばんざいのようにいくつかの小鉢が並びます。

それほど味つけは濃くなく、やさしい味です。現地の人はこれらのおかずをご飯にかけて最後は混ぜて食べるという方法が一般的だとか。
ネパールはヒンズー教徒が最も多く、続いて仏教徒となる。寺院は寄り添うように建てられており、神仏習合といった感じ。各地域、寺院でお祭りが盛んに行われ、ネパールでは年間に半年くらいは休みになるらしい。あくせく働くよりも楽しく生きるという価値観が根強い。確かに平均月収2万円位と決して裕福ではないがどことなく皆楽しそうに見えるのはそういうことなのかもしれない。

ネパールでは生き神様がいることを知った。その名はクマリと呼ばれ、10歳くらいまでの少女が選ばれその姿に神様がやどるという。クマリは「クマリの館」というところに住み、一日2回、窓から顔を出す。私も実際に見たが、写真撮影は一切禁止、手を合わせて見上げた。クマリは任務を終えるまでお祭りのとき以外は外に出ることも許されず、また歩くこともゆるされないらしい。まさにネパール独特の文化であり、これを非難する声もあるようだが長年続くこの信仰は人々にとってとても大切な存在となっている。
カトマンズ近郊の高地にあるナダルコットという村では、斜面にはりつくように家やホテルが建っていて、素朴な集落を形成している。
田畑を駆け回る子供たちが手を振ってくれた。昭和の日本の田舎の風景のようだ。

今、日本のコンビニやインドレストランで多くのネパール人と出会う。
彼らはこの地から来ているのかと思うと感慨深くなる。
見知らぬ人でも「ナマステ」と合掌すると、同じように返してくれる。
インドと中国に囲まれたこの国の人たちは、大自然に囲まれ、穏やかな笑みをたたえた信仰深い人たちの国であった。
おわり
執筆:藤さん
ビジネスマンとして世界各国への出張を30年以上続けながら、趣味の旅行でもあちこちに出かける好奇心旺盛なアラ還男子。
山本代表の長年の友人で、ぼちぼちと旅のコラムをおもびよのブログで書いています。

